『少女終末旅行』の5話があまりにも素晴らしかったのでブログを書きました
先週放送した『少女終末旅行』の5話めちゃくちゃ面白かったですね!
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『少女終末旅行』の5話を見た後、僕は感情の高ぶりを抑えることが出来ず友人に電話を掛け捲って讃え合っていました。
元々好きな作品だったので、毎週楽しみに視聴していましたが、ますます『少女終末旅行』の虜にさせられた今の僕を包む感動を表現したくてまた記事を書いてしまいました。
『少女終末旅行』の魅力とは?
このブログに辿り着いて文章まで読まれている有識者の方々に於かれましては説明の必要もないかとは思いますが、『少女終末旅行』とはつくみず先生がくらげパンチにて連載されている漫画で、現在アニメが放送中。
タイトルの通り文明崩壊後の世界で二人の少女が気ままに旅行するという内容です。
最近アニメでも増えてきたポストアポカリプスと呼ばれる分野ですが、オタクはポストアポカリプス作品なら何だって好きになってしまう生き物なので、例に漏れず僕もこの作品にド嵌まりしています。
また、基本的に主役の少女二人だけで話が進むので、要らぬ心配をしなくて済むのも素敵です。
原作を忠実に再現したアニメ!
僕が『少女終末旅行』のキービジュアルを見てまず驚いたのは、背景が暗いことです。
僕が原作の背景に抱いていた印象は、色彩の感じられない真っ白な廃墟都市だったので、アニメで色が付いたことで「これはいいな」と思わせる土壌が磐石となった気がします。
さらに、原作を丁寧に再現していて、幕間のエピソードなどもしっかりと挿入してくるところが頼もしいです。
二人がそれぞれ相方を思いやる描写がそれとなくオリジナルとして追加されているのも、プロの仕事が感じられます。
最強の睡眠導入アニメ?
ひたすらに何もない二人の空腹旅行を穏やかな音楽と共にお送りする作品なので、深夜帯に見ていると絶対に寝てしまいます。
なので、我らがTOKYO MXでの放送時間は日付が変わる前の22時30分と比較的浅い時間帯に設定されています。
そんなテレビ局の配慮を肌で感じ取りながら、僕達は眠りに着くわけです。
ちなみに、『少女終末旅行』を見ながら寝落ちすると一瞬で熟睡の段階まで飛ぶので、ちょっとやそっとの騒音では起きることが出来ません。
僕の後輩は、録画の再生が終わると勝手にループ再生される仕様の機器を使っているので、寝落ちしたまま永眠してしまいました。
問題の5話について
さて、いよいよ本題ですが、件の5話は原作2巻の3エピソードを映像化しています。
それぞれ一話ずつ振り返ってみましょう。
「住居」
上層に辿り着いた二人は、人気のない住宅街をケッテンクラートから見渡します。
かつての生活を思い出しながら廃墟探索を行う二人。
そこで発見した綺麗な景色を覗ける部屋はとても居心地が良く、定住を思案しだして 『少女終末旅行』完結の危機にまで発展します。
ところで家具を設置する妄想を繰り広げる二人の様子は、これから始まる共同生活に胸を弾ませる若人のようで、グッと来るものがありますね。
「こんなところでモチモチしてたらあっという間に食糧が尽きちゃうでしょ」という台詞と共に我に帰る二人。
自分達が"モチモチ"している自覚があったのだと判明する超重要シーンです。
「昼寝」
石を高く積めた方が勝ちという画期的な遊びに白熱してしまい、寝不足で運転すら覚束ないことを鑑みて二人は昼寝を敢行します。
昼寝だけで一話の三分の一を割くなんて、幼稚園児の生活でしか許されないと思ってましたが、大胆なことをやってのける作品です。
夢の中でも相方に翻弄される苦労人。
二人旅は忍耐の道であり、特に相方が何を考えてるか分かり辛い娘なので背負うものは人一倍重いのでしょう。
内に抱えているフラストレーションの一端が見えてしまったように思えます。
「ちーちゃんだって食べられるなら私がいいでしょ。」
「それはそうかもしれないが。いやいやちょっと待って。」
実はここのやり取りは原作にはなくアニメオリジナルの台詞です。
夢の中でも相方に翻弄される苦労人を表現してるのかと見せ掛けて、心の奥では寧ろ喜んでいる相性抜群な二人を見せつけてきたんですよ。
こんな事を思い付くスタッフの才能が怖いです。世が世なら文豪として名を馳せていたに違いありません。
「雨音」
野外を移動している最中に雨に降られてしまった二人は、急遽石鼓の建物で雨宿りをします。
雨が止むのを待ちながら、雨漏りの音に耳を傾ける二人。
リズミカルな音の反響に、二人は「もしかするとこれが音楽ってやつかもしれない」と語り出します。
二人の育ての親であるおじさんは、彼女達に音楽も教えなかったのでしょうか。
ともすれ、ヘルメットや空き缶を並べて鳴らしていた雨垂れの音は、次第に連なってそのままEDへと突入します。
雨音に二人のコーラスを付けたこの回だけのために用意された曲で、何より雨音が歌になる粋な演出に思わず唸ってしまいました。
以前、この作品の先行上映会に参加したときに、声優さんがOP/EDを歌うことについて「二人は音楽の概念を知ってるんですか?」と疑問を呈していましたが、初めて音楽に触れた二人が描かれるこの回の特殊EDとして、違和感なく二人の歌が脳に入ってくる訳です。
この自然な流れがあまりに素晴らしすぎて、僕が新聞の編集者ならまず間違いなく次の日に『少女終末旅行』特集を組み、号外として新橋の町などで配ります。
最後に
この豪華三本立てに『少女終末旅行』の真髄が詰まっているような気がしてなりません。
どれだけの徳を積めばこれほど完璧なアニメーションを世に送り出すことが出来るのでしょうか。
僕なんかは何度も何度も録画を再生して、その度に感嘆し、気付けば一週間が経っていました。
ここまで読んで下さった方々に、今僕が抱いている『少女終末旅行』への想いが少しでも伝われば幸いです。
原作コミックスは先々月に最新5巻が発売され、来年3月に発売される6巻の特典付限定版の予約が既に開始されています。
また、アンソロジーブックも先月に発売されており、つくみず先生自ら描き下ろした二人の耽美な日常エピソードも収録されていますので、これはもう読むしかありません。
テレビアニメも現在絶賛放送中で、今まさに波に乗っている状態ですから、今後の展開にも期待が掛かるところ。
これからも『少女終末旅行』を楽しんで参りましょう。