全国の百合のオタクに見て欲しい『22/7』11話
これから書き記すことは全て事実です。
まず藤間桜。1話で苦手なことに飛び込もうとする滝川の言葉に惹かれた、みたいな体で、やたら滝川との距離を詰めてくることはご承知の通りかと思います。
そして問題の9話、温泉回。温泉宿の門をくぐるときから滝川に密着し、食事中、入浴中、脱衣所に至るまで、完璧に滝川の隣のポジションをキープしています。
まだまだ続きます。ゲーム中、そして睡眠中も。藤間が滝川の隣に絶対にいるのはどうして?藤間を突き動かす理由はなに?
少し遡って見ましょう。3話で、斎藤ニコルからウサギのヘアピンを貰った滝川。滝川はこれをつけて停電中にピアノ演奏をして、ステージに立つ緊張を克服しました。
なんということでしょう、これは4話の桜回。斎藤があげたヘアピンをあろうことか藤間が自らの手で付けなおすという暴挙に出てしまいました。ヘアピンの上書き、こんなことが起きてしまって良いのでしょうか。
大方のキャラの単独エピソードが終わり、最後に残された斎藤回。そして10話のCパート、斎藤と滝川が過去に邂逅を果たしていた?続く11話のタイトルは、
22/7 11話「ただその背中を追いつづけて」、23時からTOKYO MX他で放送開始!
滝川と藤間と斎藤の三国志、乱世を生き抜く女たちのヒストリー、歴史が動くまで、あと、30分!
『あるゾンビ少女の災難』を君は知っているか?
夏アニメも放送が開始され、アニメオタクの皆々様につきましては今期もたくさんのアニメを見られていることかと存じます。
さて、「今期アニメ」には間違いないのですが、ネット配信のみの形態を取っており、碌な宣伝もされてないために、選ばれし強者しか視聴する土台に辿り着けない作品が御座います。
ご存知でしょうか?
・・・もしかしたら知ってるかな?
『あるゾンビ少女の災難』というアニメです。
『みんなの賞金稼ぎ』や『BLOOD+』を手掛けた池端亮さんの原作を、GONZOとスティングレイがアニメ化。7月4日からAmazonを始めとした各動画配信サイトで有料配信が開始しています。
しかし、この作品、実はものすごく昔にアニメ化の話が上がっていて、音沙汰の無いまま6年が経過し、この度に突如として配信開始となった稀有な経緯を持っています。
事の発端は、2012年6月25日、翌月に発売を控えた二冊の新装版の告知に合わせて、スニーカー文庫の公式サイトにてアニメ化企画が発表されたことに始まります。
http://www.sneakerbunko.jp/ (画像は2012年6月26日取得)
続いて、2012年7月1日には、「あるゾンビ少女の災難 アニメ化決定特報PV」というタイトルでyoutubeに動画がKADOKAWAanimeより投稿されます。
さらには、ニュースサイト等でもいくつか取り上げられ、同時に進行したとされる実写化企画についても言及された他、原作の編集者にインタビューを行い、突如として知らされたアニメ化の打ち合わせやシナリオの確認で忙しそうにしている様子が伺える状況だったのが、一転。
進展情報が全く届かないまま、どこの会社が制作したかも分からないPVにあるショッキングな映像だけが独り歩きをする異様な状態になっていました。
その間、驚くべきことに実写化企画は進行し、『フジミ姫〜あるゾンビ少女の災難〜』というタイトルで上映館は限定されますが公開を果たしています。逢沢りなさんや春奈るなさんが主演なされています。
しかしながらアニメの方はからっきしで、流石に長すぎる空白期間に痺れを切らし、頓挫してしまったと類推するファンも多かった中で、6年の歳月を経ようとしていた矢先に突如として転機が訪れます。
今年2018年4月13日に公式サイトがオープンし、同時に「『あるゾンビ少女の災難』予告編」というタイトルで、これまた意味不明にも洋画DVDデータ管理会社であるスティングレイ(名義はallcinemaSELECTION)より動画が公開されます。
岩見英明監督を始め、GONZOに縁のあるスタッフが並び、制作はGONZOとスティングレイの連名になってますが、何故かGONZOの公式サイトでは一切この作品に触れておらず、公式Twitterに関しても同様です。
この情報化社会において、ネットで調べても分からない事なんて、ことサブカルチャーの分野においてはそうそう無いと思いがちなのですが、この作品に関して言えば、本当に謎です。
記事を書いていく中で、この作品について調べれば調べるほど深みに嵌り、幻でも追いかけているのかなという気持ちになりますが、事実既に配信は開始しており、アニメとして存在はしているのです。
配信が開始しているのに共同制作のGONZOが全く触れてないのは何故・・・。
ちなみにこの作品と全く関係ないですが、GONZOが制作した『絶対防衛レヴィアタン』の公式ツイッターは、放送終了後5年経っているというのに、放送していたのがつい昨日ことであるかのように感じさせる、色褪せない宣伝がちょっとした狂気を感じさせるくらい大変魅力的なので、併せて記しておきます。
GONZOが公に宣伝していない以上、本当に無関係の情報を紛れ込ませてしまって、申し訳御座いません。
話を戻しまして、一応もう一方のスティングレイ側の公式Twitterは存在しているようですが、配信開始の2日前くらいに突如として開設されて、二言三言呟いているだけに留めています。
逆にプロ同士多くを語らない雰囲気も出していて通好みと言ってしまえば聞こえは良いですが、単純に情報伝達が不足しているだけのような気もします。
それにしてもGONZOが触れないのは本当に何故・・・。
作品の紹介だけで随分と長くなってしまいましたが、ここからは本編について。
悪趣味と思えるほど血生臭く、直前に焼き鯖寿司を食べていたこともあって、見てる最中は吐き気を我慢しながら、見た後には暫くげんなりとしました。
(頭蓋から飛び出た脳をもぐもぐするシーンとかが精神的に辛かっただけで、福井県の名産を馬鹿にしているわけでは御座いませんので、どうかご容赦下さい)
まずグロい。損傷部分が克明に描かれるのもそうなんですが、音がなんか気色悪い。
そんなスプラッタ然とした出で立ちの癖に、基本的には「ジェイソン目線で描くスプラッタ」が主題なので、やたらとコミカルさが目立ち、このアンバランスさが逆に恐怖をそそります。
そして、これが非常に大事な情報なんですが、約1時間半くらいの長さで1話完結と、アニメ映画のような体を成しています。
それだけにスプラッタ描写の密度も濃厚で、より一層気持ち悪さが増しています。早く終わってくれと何度願ったことか。
繰り返して見ることは、滅多なことでもない限りは無いように思える作品です。
ここまで書いておいてこんな感想で、勧めたいのか、勧めたくないのか、釈然としない締めになってしまいましたが、何にせよ、こんな良く分からないアニメが今の時代に存在するんだと驚きの方が強くて、なんというか興奮しませんか?
こういう凡庸なアニメオタクなら知り得もしない謎の作品を愛して止まない諸氏なら、間違いなく食い付くだろうと思って、手応えは感じています。
或いは、以前のアニメ化情報を耳にしていた方ならピンと来るかも知れませんが、何分古い話なので、覚えてる人も稀でしょう。
有料ではありますが、今まさに、配信しています。
是非この機会に購入して、運命的な邂逅を果たして、まだ見てないアニメオタクにしたり顔で紹介してやって下さい。
「こんなアニメが今期やってるんだけどさぁ、知ってる?」
『NETFLIXオリジナルシリーズ』4作品を見た所感
地上波のみで良質なアニメの供給を受ける時代は終わったのかもしれない。
NETFLIXにおけるオリジナル作品の配信形態は日本のアニメの未来を示していると言っても過言ではないでしょう。
今年に入ってからのNETFLIXの作品展開には目を見張るものがあります。というのも、NETFLIXのオリジナルブランドを育てるために、アニメ分野にも巨額の予算を投じているようで、2018年だけで国内外問わずオリジナルアニメ30作品の配信が決定していることからも、その熱の入りようが伝わってくるかと思います。
2015年9月1日から日本でもストリーミングサービスを開始したNETFLIXですが、amazonプライムやdアニメストア、huluやU-NEXTといったラインナップの充実した配信サイトが多数存在する中で、国内での利用状況は余り芳しくないと言えるでしょう。僕の周りのアニメファンでも利用している人はほぼ存在しないのが現状です。
しかしながら、他の配信サイトにラインナップで勝てなくてもここでしか見れないオリジナル作品に熱心なアニメファンは食いついてくれると確信めいたビジョンを持っているNETFLIXには、投資のし甲斐があるというものです。現に、手広くアニメを扱っている配信サイトへの登録に加えて独自性が光っているNETFLIXにも登録してしまっている僕がいます。
地上波では放送されないマニアックな作品を見られるのであれば、月額650円以上を支払うことに意を介さないアニメファンからは、十二分に評価を得ていると思います。
NETFLIXのオリジナルアニメの特徴
NETFLIXのオリジナルアニメが現行の他のアニメと大きく違う点は、その製作の在り方です。日本のアニメでは、テレビ局や出版社、おもちゃメーカーといった様々な業種の複数の企業がお金と意見を出し合って一つの作品を作り上げる製作委員会方式が主流です。一方、NETFLIXのオリジナル作品は、簡単に言えば配信会社とアニメ制作会社との直取引による方式を採用しています。そのため、製作委員会方式よりも柔軟で突拍子もない作品が生まれやすい環境にあると疑いようもないです。具体的には、放送枠における番組構成上の時間的制約に縛られない点や、暴力描写や性描写に寛容である点が挙げられます。前者においては、コマーシャルや終了時間を気にすることなく絶好のタイミングでEDを迎えさせることが出来るメリット、後者においては、製作委員会に文句を言われることなく自由な表現で伸び伸びと描き切れるメリットがあり、面白い作品が醸成される土壌が整っていると言えましょう。
ところで、製作委員会方式アニメ制作会社だけでは先立つ資金を調達できないために生まれた苦肉の策的な一面の強い手法ではありますが、最近は何かと悪の枢軸として語られる場面が多い気がします。ただ、僕は製作委員会を一概に悪だと捉えてはいません。何故なら製作委員会方式でも面白い作品はいくらでも存在するから。NETFLIXにも完成保証という完パケ納品されてからしか報酬金が支払われない負の側面があり、先立つ資金を補えないという点では、製作委員会方式はまだまだ活用されていくことでしょう。
『NETFLIXオリジナルシリーズ』4作品を見た所感
さて、いよいよ本題に入ります。NETFLIXで現在配信されている『NETFLIXオリジナルシリーズ』と冠されたアニメは四つあります。
1月5日に配信開始した『DEVILMAN crybaby』、3月2日に配信開始した『B: The Beginning』、3月9日に配信開始した『A.I.C.O. Incarnation』、3月23日に配信開始した『ソードガイ The Animation』の四作品。
僕もようやく四作品を見終わりましたので、順を追って所感を記していきたいと思います。
『DEVILMAN crybaby』
ご存知、永井豪先生の名作『デビルマン』を湯浅政明監督が現代版アレンジを加えて再構成した作品ですね。全10話。
1月からの配信でしたが、何気に僕は渋谷で開催された試写会に参加していて、サバトを模した特設会場で1話だけ先んじて拝見していたり。あの臨場感は忘れられません。
当時を出来る限りそのまま再現したという触れ込みの『THE FIRST』が発売中で一体何冊出るんだと思わなくもない原作の完結まで描かれたのは今回が一応初であり、新デビルマンを含む加筆修正分や『バイオレンスジャック』や『デビルマンレディー』に続く部分はカットされた純粋な『デビルマン』であると言えてしまうのが悲しくもあります。
まぁどれだけ忠実に再現したとしても文句を言いたくなるのが懐古厨の宿星なので許していただきたいのですが、不良がラッパー、謎のゲイが登場する、ススムくんは登場する、ゼノンが反逆する、牧村夫妻の行く末が違うなど変更点が多すぎて、これはこういうものと理解して見進めていったら、結末は原作の展開に沿っているという謎の帰結を見せて無事悪魔化してしまいました。
永井先生の悲願であったシレーヌの空中ファックが別の形で実現していて表情も凍りましたが、それ程までに何かを掻き立てられる作品にはなっていたと思います。
原作とは別の意味で「やべえもん見ちゃった」感を味わえる逸品と言えます。
『B: The Beginning』
中澤一登監督とProduction I.Gが手掛ける異能力バトルと犯罪捜査をガッチャンコさせた感じのアニメです。全12話。
西尾鉄也さんや黄瀬和哉さん他IGの粋を結集したような作画が拝めるのはアニメファン的に美味しい点だと思います。
上手く海外ドラマの要素を日本のアニメにマッチさせたなと思う反面、手放しに誉めると海外かぶれと指を刺されそうで、扱いに困る位置づけではあります。
押井塾で提案された作品かと見紛うくらい設定も凝っているので、一回見ただけでは把握できない部分もあって、でも何度も見るといよいよ海外かぶれなので、自粛します。
神の復活を目前としたファウラ・ブランカ王立科学研究所が襲撃されたのも、研究が終わるとレジーの軍事転用が出来なくなると踏んだからなのでしょうか。
あと根本的なところで、ギルバートは元々どこに所属していて、王立法医学研究所とファウラ・ブランカ王立科学研究所の関係は一体何なのでしょう。
僕の疑問を解決する上でも、有識者の方におかれましては、早々に見ていただきたい所存です。
『A.I.C.O. Incarnation』
BONES制作のアニメ。監督の村田和也さんとキャラ原案の鳴子ハナハル先生といえば『翠星のガルガンティア』が連想されますが、同じく村田監督が研修生時代から温めていた作品のようです。
脳以外の身体の部位が人工生体になった女の子が元の身体を探しに行くSFアニメ、かと思いきや後半にどんでん返しあり。
全12話の中で言ってることコロコロ変わって非常に分かり辛いのが難点ですが、状況を整理して疑念を解消していくのを楽しむプロセスは往年の名作SFに通じるものがあります。
代謝や自己修復を実現したプログラムであるセル・アセンブラや筋肉や皮膚を補強するカーボン・ナノ・ストラクチャーなどの横文字が飛び交い、難解であればあるほど涎が垂れてしまう人種には丁度良いのかもしれません。
あとパワードスーツが好きなら見て損はないと思います(重要)。
『ソードガイ The Animation』
サイエンスSARU、Production I.G、BONESと来て次はGONZOの作品か?と無駄な期待がなかった訳でもないですが、ランドックスタジオが担当という運びになりました。
井上敏樹さん原作、雨宮慶太さん原案というビッグネームが揃い踏み、今最も熱い月刊誌と目される『月刊ヒーローズ』連載漫画のアニメ化です。
実は上の三作と違ってこの作品は、製作委員会方式を採用しています。というのも出自が特殊で、元々2014年くらいからアニメ制作発表がなされていたのが、延期に延期を重ねて、気付くとNETFLIXでアニメ化をしています。アニメ化を企画したDLEがIGに話を持っていき、最終的にランドックで制作するという複雑な経緯を経ており、そもそも原作付きということで、NETFLIXオリジナルシリーズではありますが、先行配信的な意味合いが強いのかもしれません。
ということで念を押しておきますが、早速実例があるように製作委員会方式が滅びることはほぼあり得ないと思って良さそうです。だって資金調達大変だもん。
それはさておき、作品の中身についてですが、個性的なキャラクターが犇くように出てきて12話を通して飽きさせません。
というかOPにまだ出てきてないキャラが沢山いたような・・・。
終わり方も続きがあること前提で、特に続編の制作はまだ発表されてない行き当たりばったりな方針とか、言ってしまえば凄まじいB級オーラを放っています。
でも、そこが良い!
同雑誌連載作品で現在放送中の『キリングバイツ』と同じ空気感が漂っていて、ギャグみ溢れる豪胆な展開力にたじろくこと間違いなし。
CV佐倉綾音さんの生意気なJCアイドルがファンのオタクにボコボコに殴られるシーンなんか最高の一言に尽きます。
最後に
これだけ高火力な作品を立て続けに配信できるのは『NETFLIXオリジナルシリーズ』最大の強みだと思います。
その反面、1話1話のカロリーが高いので1クール分見るだけでも、ある程度まとまった時間を捻出する必要があるかと。
三作品が一挙に配信を開始した3月はそれはそれは途方もない目まぐるしさで、休暇を無理やり捻出して何とか全部見ることが叶いました。
いつでもどこでも見られるというのがネックになっていて、週一の放送形態に慣れてしまった我々アニメオタクにとって、一気に全話配信されると重くて溜めてしまう傾向にあるような気がします。
でも手を拱いていたらあっという間に出遅れてしまいます。「この週のこの休暇はこのアニメを見る」と腹を括って挑むしかありません。時間を作って、アニメを見るんです。
まだNETFLIXに登録していないのでしたら、1ヵ月は無料期間なので、今すぐ登録して、『NETFLIXオリジナルシリーズ』をご覧になられた方が良いと思います。
NETFLIXの国内のシェアが少ない現状で、素晴らしい作品を発掘するパイオニアになれるチャンスが目の前に転がっているのです。
日本のアニメが新たな形態に移行していくかもしれない、時代の岐路に差し掛かった2018年、アニメ業界の未来を牽引していくのは、NETFLIXでオリジナルアニメを開拓する、あなたかもしれない。
『URAHARA』の10話に感銘を受け、ふと気付くとブログを投稿していました
突然ですみませんが、皆さんは今期放送中のアニメ『URAHARA』をご存知ですか?
一昨日放送していた『URAHARA』の最新話も素晴らしかったですね。
頭で考えるよりも先に身体が動き出してしまう、反射神経に訴えかけてくる面白さとでも言いましょうか。
何時何処に居たとしても、「あぁ、今期って『URAHARA』というアニメが放送してるんだよな」と常に思い浮かべずにはいられない、そんな異様な引力を持つ作品です。
ところが、個人的に大注目している『URAHARA』ですが、何故か知名度が低いように感じます。
今期はこんな面白いアニメが放送しているんだと知っていただき、あわよくば見て何かを感じ取って貰えると幸いに思います。
そもそも『URAHARA』とは何なのか?
一見するとアニメオリジナル作品であるかのような面構えの『URAHARA』ですが、実は原作が存在します。
『PARK Harajuku: Crisis Team!』という「クランチロール」で連載しているイラストノベルで、ストーリー原案はパトリック・マシアス氏と、キャラ原案はたなか麦氏が分担して制作されています。
有識者の方々におかれましては「クランチロール」の説明は不要かと思われますが、参考までに述べさせていただきたくと、世界中にシェアを持つアニメ配信サイトで、日本のアニメ会社と提携することで日本で放送された数時間後には公式配信される優れた特徴を持っています。
最新作の放送もカバーされている上に料金体系も非常にリーズナブルで、「Amazonプライム」や「dアニメストア」といった日本の動画配信サイトを揺るがすような存在であるため、日本ではアクセスが禁止されています。
この『PARK Harajuku: Crisis Team!』は、「クランチロール」で連載しているため、基本的には日本では見ることが出来ない上に、英語によるイラストノベルであるために、アニメ化するまで作品を全く知らなかったという方も多いのではないかと思います。
原宿を舞台にした日本の文化を発信するコンテンツを謳っておきながら、日本では閲覧不可という矛盾を孕んでおり、そういった原作に手を出す際の構造上の不親切さはオタクとしてニヤけてしまうポイントではないでしょうか。
harajuku-crisis-team.tumblr.com
どうしても日本で読みたい!という方には、キャラ原案のたなか麦氏のホームページにて全話公開されているので、英語版はそこで確認するといいかも知れません。
珍しいメディア展開をしている本作に俄然興味が湧いて来たけど英語はハードルが高い!という方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方には朗報ですが、なんと日本語訳された書籍が日本のとあるお店のみで販売しています。
原宿に存在する「2.5 spinns」内にある「PARK」というインショップで、タイトルの由来にもなっているサブカル関係を取り扱ったお店です。
一応通信販売も行っており、現在は購入できるようですが、一時期完売となっていて、店舗に訪れるしか入手できない事態となっていて、市場外流通が浸透した現代社会にあるまじく恐ろしく原始的な販売経路を採用しているものだと感心していました。
「PARK」は、日本で唯一『URAHARA』を取り扱っているお店という趣向以外にも、オタク要素を取り入れつつ原宿ナイズされた、独特の雰囲気を帯びたお店の内装はとても斬新ですので、直接店頭に行かれるのも一興かと思います。
内容も、文化を奪う侵略宇宙人と戦う根底こそ同じであれ、アニメと大きく異なる展開を見せていますので、一読の価値はあると思います。
登場人物の出身地や家族の事情など、アニメでは触れられていない設定が詰まっていて、『URAHARA』を語る上で外せない一冊です。
残念ながらchapter1のみの収録であり、「クランチロール」で配信されているchapter2以降は、英語で読むしかありません。
異星人に捉われた仲間の一人を救うため、終わりなき戦いに挑む怒涛の展開が待っていて、こちらも目が離せません。
『URAHARA』の所見(前半戦)
さて、話を元に戻しますが、ここでアニメ『URAHARA』をこの期に及んでご覧になられていない方々にあらすじをざっくりと紹介いたします。
突如地球に出現した侵略宇宙人が、東京タワーや浅草寺など地球人の文化的な財産を次々奪っていき、世界の都市機能は壊滅状態に陥れます。
そんな混沌とした世界情勢の中で、原宿にお洒落なお店「PARK」を構える三人の少女がこの物語の主役。三人は原宿で、宇宙人の出現と時を同じくして、アメリカから来たという一人の少女と喋るエビフライに遭遇し、変身アイテムを貰い、宇宙人と戦う力を手にします。
さて、事態を重く捉えた国際防衛隊は、宇宙人が今攻め込まんとしている原宿に爆弾を投下し、主人公の三人はてんやわんやしますが、巨大なパフェのモニュメントの出現とともに爆弾も消滅し、原宿を震撼する未曽有の危機は去ります。
文章が難解な方向になってきたので短く纏めると、三人の女の子が原宿で宇宙人と戦うアニメです。
いかにも怪しいエビフライを首に巻き付けて、取って付けたような「ですな」口調がとても可愛い女の子の存在もお忘れなきようお願います。
その後も宇宙人は手を変え品を変え原宿に攻め込み、その度に主人公の三人が撃退します。
ここが衝撃ポイントの第一弾で、倒した宇宙人を三人は何の気兼ねもなくパクパク食べます。
宇宙人は爆発四散するとお菓子のような形状を取るのですが、「女の子は甘いものが大好き」なんて言いながら、それはもうパクパク食べます。
見るからに不穏な光景ですが、そもそもインベーダー系のSFとメルヘンチックな絵柄が化学反応を起こしていて、違和感なく受け入れてしまうのがこの作品の恐ろしい点です。
遂に、というかやっと宇宙人をパクパク食べていたツケか回ってくるのが7話くらい。
宇宙人を食べさせていたのは実はエビフライ達の仕組んだ罠で、クリエイティブする能力の高い生命体を自身と同じ存在にして、その能力を得たことにしようとしていました。
他の星の生命体をそれごと自身の種族に取り込んでいく宇宙人という突然のハードSF設定を押し付けられて、困惑した視聴者も多かったと思います。
僕自身、『URAHARA』を視聴する時は、他のアニメと一味違う緊張感が走りますし、意外に見ていて疲れるのですが、そんな部分もまた良いん...ですな。
自身の身体の変化にもお構いなく、気が狂ってしまったかのように宇宙人を食べ続ける二人に対し、唯一正気を保っていた主人公は、現在置かれている状況に戦慄してしまいます。
頭がおかしくなったのは二人だけに留まりません。主人公たちに的確な助言を与え、彼女たちの作品の一番のファンであった、この作品の良心といっても過言ではないクレープ屋さんも含め、原宿の人々が全て狂気に侵されていきます。
巨大化したクレープ屋さんは、主人公も狂気の世界に誘うため、邪念となっている三人の思い出の詰まった「PARK」を破壊しようとしますが、すんでのところで主人公に召されます。
唯一の良心だったクレープ屋さんにも裏切られ、しかし絶望の中でも立ち止まらないのが主人公たる由縁。毒を以て毒を制すの要領で、自分も二人に勝る気の狂いようで宇宙人を貪ることで、二人を我に返らせる作戦に出ます。
主人公の忠告を無視し続けて宇宙人を貪っていた二人も、主人公の変わり果てた姿には度肝を抜かし、流石に冷静になります。
作戦が功を奏し喜ぶべきシーンではあるのですが、一緒にどこまで堕ちていくと意を決して臨んだのに、他の二人はドン引きしていたのは流石に世の中の不条理を感じましたん...ですな。
主人公の決死の努力により、幻想から解き放たれ、宇宙人化が進行していた三人はふわっと元通りになります。
どうやら宇宙人を食べると理想の自分を体現できる幻想を見るようで、自分がなりたい、叶えたいと思う気持ちに背を向けて幻想の世界に浸るのではなく、自分の気持ちと正面から向き合う事で、宇宙人化が解除された模様です。
宇宙人と戦うための変身アイテムを捨て、ありのままで生きようとする少女たち。どこまでも尊い三人の絆を前に、ほだされる少女と、怒るエビフライ。
物語は最終局面を迎えようとしています。
『URAHARA』の所見(後半戦)
地球人のクリエイトする能力に目を付け、その力を奪いに来た侵略宇宙人にさんざ手を焼かされた前回までの『URAHARA』ですが、最新話の10話にて衝撃にさらに衝撃を重ねて来ます。
他の星の文明が生み出した吸引装置で、主人公たちを新鮮な状態で宇宙に連れ帰ろうとするエビフライ。
何を隠そう彼らの目論見は、自らは何も生み出す術を持たないがために、数々の星の文明を根こそぎ奪う事であり、通った後には何も残らないという、厄災のような存在です。
進化の停滞を避けるために退くに退けない宇宙人側ののっぴきならない事情もあるようですが、文化を奪われた地球人は溜まったものではありません。
三人を捕縛しようとするエビフライの前に立ち塞がる女の子。
前々から黒幕だのラスボスだのと囁かれておりましたが、なんと侵略宇宙人のお姫様的存在だと判明します。
明かされるのは、女の子とエビフライが地球を訪れる前の話。
ピンク髪の幼女姿は世を忍ぶ仮の姿であり、本来は他の個体と同様に円盤の形状をしています。
大群で他の星に攻め入っては文化を略奪し、宇宙船には他星の文化的アイテムが山積みとなっています。
お姫様はいつものように奪ってきた文化的アイテムを謁見し、初めは興味を持つものの、すぐに飽きてしまいます。
僕がハンドスピナーに初めて触れた時もこんな感じだったので、個人的に彼らにはとても共感が持てます。
(ちなみにこのシーンではまだ訪れてない地球産の和菓子が宇宙船に転がっていましたが、異星人が地球を訪れてお土産に持ち帰ったのでしょうか...)
独創的な地球の文化に興味を持ち、次に訪れる星を地球に定めた侵略宇宙人は、観光雑誌を参考に品定めを開始します。
ここでしれっと重大な事実が描かれている訳ですが、地球に潜伏するために用いた資料は局所的、それもかなり偏向的な情報をインプットしていたことが判明します。
エビフライへの擬態は、たまたま名古屋の観光雑誌を見たためという勘違いの方向性も実に異星人らしくて好きです。
今までも雑誌の情報を鵜呑みにして実際に訪れてみるとイメージと違うとなってしまう弊害が発生してしまいそうなものですが、他の星では画一化された文化しか存在し得なかったのでしょうか。
あと何気にこの回想シーンは、雑誌の記事の中にあった飲食店の宣伝の文言から、個体識別のための名前を着想した衝撃の事実も盛り込まれている、設定放出のオンパレードでした。
原宿で地球の潤沢な文化の一端を垣間見、歓喜する侵略宇宙人のお姫様。
名古屋を地球の標準と認識した彼らが、原宿に降り立った時に何を思うのかは、意見の分かれる所だと思いますが、少なくとも好意的に捉えられたようで一安心です。
そこで主人公たちと出会い、自ら物を作り出す楽しさに触れ、お姫様は少しずつ変わっていたのでした。
クリエイトする能力の高い三人と時間を共有することで「素敵になりたい」という思いを育んでいったお姫様は、素敵なものを奪うのではなく、素敵な姿に自分がなるという、自発的な考えに至り、エビフライと対峙することになります。
奇しくもツインテ娘が前回まで創造力の行き詰まりに悩み、自分なりの答えを導き出したのと同じ構図になっていて、今までの積み重ねが活きていると実感できる感動の一幕です。
「自分にとってクリエイティブとは何か、なぜ作りたいと思うのか、何のために作るのか、考える物語」を謳ってきた本作にあって、物語の落とし所として充分過ぎる展開だとは思いますが、それで済まないのが『URAHARA』の凄い箇所です。
主人公たち三人のクリエイトする能力は、地球人類として持て余す程に高いものでした。
人一人が対応できる容量を超える事態に遭遇した時、その絶大すぎる能力が暴走を来し、原宿の街全体を作り変えていたのでした。
元は宇宙人の侵略と国防軍の応戦によって原宿が壊滅することを憂い、原宿を守りたいと三人で願っただけだったのに、自分たちに都合の良い世界を再構築していたのだと、お姫様の口から聞かされ、茫然自失とする一同。
「お姉さんたちのイメージする力は本当に凄いんですな!さゆみんさんもゼロから作って、自分たちで殺して!」という台詞はこの作品に潜む狂気を具現しているように思えます。
絶望から立ち直り一度は救済の兆しが刺した前半から一転して、お姫様の台詞で奈落のどん底に突き落とされる感覚たるや。
三人の有るがままを認めてくれて、時には的確なアドバイスをくれたさゆみんも、原宿の人たちも全て、空想の産物と発覚して、次回に続く構成はまさに生き地獄です。
ただ、上昇と落下を繰り返す遊園地の絶叫アトラクションのような不快感に混じる爽快感は、嫌いじゃないです。
力任せにブンブン振り回され、気を抜けば身体が持っていかれそうになるのが、寧ろ気持ち良い。
これまでも衝撃の連続で感心されられっぱなしでしたが、さらに最新話の予想を上回ってくる展開の激流には、成す術もなく呑み込まれてしまいます。
外国産という経緯もあって取っ付き難いタイトルでしたが、蓋を開ければ純然たるSFで、癖の強い絵柄が直接的に脳に刺激を与えている危険な作品と言えます。
だからこそ、やみつきになるような面白さを感じられる作品に仕上がっているのだとも思いますね。
最後に
いかがでしたでしょうか。
さて、とにかくこの『URAHARA』というアニメ、凄まじい引力を持ち合わせていて、普段の生活の中で、つい考えを巡らせてしまうくらいの存在感を発揮しておりますが、悲しいことにこの作品のポテンシャルに気付いている人は一握りに満たない気がします。
間違いなく人を選ぶ作品ではあると思いますが、狂気を孕んだ怪作でして、玉石混合の中からこういった逸材を見出す時にこそ、僕はアニメ趣味の醍醐味を感じます。
ここまで取り留めのない記事を読んでいただき、ありがとうございます。『URAHARA』に心を奪われた僕の想いの一端でも伝われば幸せに思います。
話は全く変わりますが、どこを切り取ってもファンシーな絵柄で満ちている作品なので、見た目もカラフルでブログに貼付していて楽しかったです。
残り話数も少なくなって参りましたが、最後まで気を引き締めて視聴したいです。
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『少女終末旅行』の5話があまりにも素晴らしかったのでブログを書きました
先週放送した『少女終末旅行』の5話めちゃくちゃ面白かったですね!
girls-last-tour.com
『少女終末旅行』の5話を見た後、僕は感情の高ぶりを抑えることが出来ず友人に電話を掛け捲って讃え合っていました。
元々好きな作品だったので、毎週楽しみに視聴していましたが、ますます『少女終末旅行』の虜にさせられた今の僕を包む感動を表現したくてまた記事を書いてしまいました。
『少女終末旅行』の魅力とは?
このブログに辿り着いて文章まで読まれている有識者の方々に於かれましては説明の必要もないかとは思いますが、『少女終末旅行』とはつくみず先生がくらげパンチにて連載されている漫画で、現在アニメが放送中。
タイトルの通り文明崩壊後の世界で二人の少女が気ままに旅行するという内容です。
最近アニメでも増えてきたポストアポカリプスと呼ばれる分野ですが、オタクはポストアポカリプス作品なら何だって好きになってしまう生き物なので、例に漏れず僕もこの作品にド嵌まりしています。
また、基本的に主役の少女二人だけで話が進むので、要らぬ心配をしなくて済むのも素敵です。
原作を忠実に再現したアニメ!
僕が『少女終末旅行』のキービジュアルを見てまず驚いたのは、背景が暗いことです。
僕が原作の背景に抱いていた印象は、色彩の感じられない真っ白な廃墟都市だったので、アニメで色が付いたことで「これはいいな」と思わせる土壌が磐石となった気がします。
さらに、原作を丁寧に再現していて、幕間のエピソードなどもしっかりと挿入してくるところが頼もしいです。
二人がそれぞれ相方を思いやる描写がそれとなくオリジナルとして追加されているのも、プロの仕事が感じられます。
最強の睡眠導入アニメ?
ひたすらに何もない二人の空腹旅行を穏やかな音楽と共にお送りする作品なので、深夜帯に見ていると絶対に寝てしまいます。
なので、我らがTOKYO MXでの放送時間は日付が変わる前の22時30分と比較的浅い時間帯に設定されています。
そんなテレビ局の配慮を肌で感じ取りながら、僕達は眠りに着くわけです。
ちなみに、『少女終末旅行』を見ながら寝落ちすると一瞬で熟睡の段階まで飛ぶので、ちょっとやそっとの騒音では起きることが出来ません。
僕の後輩は、録画の再生が終わると勝手にループ再生される仕様の機器を使っているので、寝落ちしたまま永眠してしまいました。
問題の5話について
さて、いよいよ本題ですが、件の5話は原作2巻の3エピソードを映像化しています。
それぞれ一話ずつ振り返ってみましょう。
「住居」
上層に辿り着いた二人は、人気のない住宅街をケッテンクラートから見渡します。
かつての生活を思い出しながら廃墟探索を行う二人。
そこで発見した綺麗な景色を覗ける部屋はとても居心地が良く、定住を思案しだして 『少女終末旅行』完結の危機にまで発展します。
ところで家具を設置する妄想を繰り広げる二人の様子は、これから始まる共同生活に胸を弾ませる若人のようで、グッと来るものがありますね。
「こんなところでモチモチしてたらあっという間に食糧が尽きちゃうでしょ」という台詞と共に我に帰る二人。
自分達が"モチモチ"している自覚があったのだと判明する超重要シーンです。
「昼寝」
石を高く積めた方が勝ちという画期的な遊びに白熱してしまい、寝不足で運転すら覚束ないことを鑑みて二人は昼寝を敢行します。
昼寝だけで一話の三分の一を割くなんて、幼稚園児の生活でしか許されないと思ってましたが、大胆なことをやってのける作品です。
夢の中でも相方に翻弄される苦労人。
二人旅は忍耐の道であり、特に相方が何を考えてるか分かり辛い娘なので背負うものは人一倍重いのでしょう。
内に抱えているフラストレーションの一端が見えてしまったように思えます。
「ちーちゃんだって食べられるなら私がいいでしょ。」
「それはそうかもしれないが。いやいやちょっと待って。」
実はここのやり取りは原作にはなくアニメオリジナルの台詞です。
夢の中でも相方に翻弄される苦労人を表現してるのかと見せ掛けて、心の奥では寧ろ喜んでいる相性抜群な二人を見せつけてきたんですよ。
こんな事を思い付くスタッフの才能が怖いです。世が世なら文豪として名を馳せていたに違いありません。
「雨音」
野外を移動している最中に雨に降られてしまった二人は、急遽石鼓の建物で雨宿りをします。
雨が止むのを待ちながら、雨漏りの音に耳を傾ける二人。
リズミカルな音の反響に、二人は「もしかするとこれが音楽ってやつかもしれない」と語り出します。
二人の育ての親であるおじさんは、彼女達に音楽も教えなかったのでしょうか。
ともすれ、ヘルメットや空き缶を並べて鳴らしていた雨垂れの音は、次第に連なってそのままEDへと突入します。
雨音に二人のコーラスを付けたこの回だけのために用意された曲で、何より雨音が歌になる粋な演出に思わず唸ってしまいました。
以前、この作品の先行上映会に参加したときに、声優さんがOP/EDを歌うことについて「二人は音楽の概念を知ってるんですか?」と疑問を呈していましたが、初めて音楽に触れた二人が描かれるこの回の特殊EDとして、違和感なく二人の歌が脳に入ってくる訳です。
この自然な流れがあまりに素晴らしすぎて、僕が新聞の編集者ならまず間違いなく次の日に『少女終末旅行』特集を組み、号外として新橋の町などで配ります。
最後に
この豪華三本立てに『少女終末旅行』の真髄が詰まっているような気がしてなりません。
どれだけの徳を積めばこれほど完璧なアニメーションを世に送り出すことが出来るのでしょうか。
僕なんかは何度も何度も録画を再生して、その度に感嘆し、気付けば一週間が経っていました。
ここまで読んで下さった方々に、今僕が抱いている『少女終末旅行』への想いが少しでも伝われば幸いです。
原作コミックスは先々月に最新5巻が発売され、来年3月に発売される6巻の特典付限定版の予約が既に開始されています。
また、アンソロジーブックも先月に発売されており、つくみず先生自ら描き下ろした二人の耽美な日常エピソードも収録されていますので、これはもう読むしかありません。
テレビアニメも現在絶賛放送中で、今まさに波に乗っている状態ですから、今後の展開にも期待が掛かるところ。
これからも『少女終末旅行』を楽しんで参りましょう。
『アニメガタリズ』を語りたいあまりにブログを開設しました
皆さん!今期絶賛放送中の『アニメガタリズ』はもう見られましたか?
僕は『アニメガタリズ』の1話、2話を見て、何としても語りたい想いが募り、居ても立っても居られずこうしてブログを開設してしまいました。
飲み会の席で今期アニメについて管を巻いている光景がそのまま描かれているようなアニメの一体どこに惹かれる部分があり、こんなに語りたくて仕方がなくなったのか。
秋アニメ『アニメガタリズ』を以下より詳細に紐解いていきましょう。
僕が今期激押しする『アニメガタリズ』とは?
主人公はアニメに興味はあるけど詳しくはない女の子。『ハム太郎』や『デジモン』、『プリキュア』を姉と一緒に見ていたという微笑ましいくらいごくごく一般的なアニメ遍歴を持つ女子高生です。そんな彼女が、子供の頃見たアニメのタイトルが出てこなくて悶々としている場面から物語はスタートします。
ある日、クラスで何気なく友達とそのアニメの話をしている様子を、二人の女の子がただならぬ雰囲気で耳をそば立てています。
こちらの金髪お嬢様は、高校生の分際で高価なアニメBDを幾本も所持し、他人にアニメを見ることを強要してくる、言わば実害を伴うアニメオタクです。
主人公が教室でアニメの話をしていたために、自分の同胞だと勘違いしてしまい、知識の少ない主人公を呼び出し、一方的にアニメの話題を語り出す厄介ぶりを1話から披露しています。
もう一人は大人しそうな眼鏡っ娘。ライトノベルばかり読んでいて頭がおかしくなってしまった狂犬で、好きな作品を否定する人間によく噛み付きます。
典型的なアニメ脳である金髪お嬢様とは犬猿の仲で、後述する2話の原作VSアニメ論争では熾烈なバトルを繰り広げて、周囲をドン引きさせてしまいます。
教室という開けた空間でアニメの話をすることが如何に危険かを視聴者に伝えるには十分すぎる演出と展開への称賛は一先ず置いておいて。
クラスメイトのヤバい人から勝手にアニメオタク認定され、早口言葉で捲し立てられるように自身のアニメ論議を聞かされ、本来なら気が動転して逃げ惑っても仕方がない場面で、主人公は機転を利かし、餅は餅屋の要領で、金髪をアニメ研究部に引っ張って行きますが、当のアニメ研究部は既に廃部していると知ります。
適当な事を言ってその場を去ろうと画策する主人公ですが、迂闊な発言は時に身を滅ぼす。
「無いなら作ればいい」のノリでアニメ研究部再建を志す金髪に見事に巻き込まれる形で、奇しくもアニメ研究部員となった主人公の明日はどっちだ!という大変面白そうな内容だった気がします。
アニメオタクの生態をよく捉えた会話の内容が面白い!
アニメオタクを題材にするという非常に挑戦的な試みですが、その生態をよく捉えた上で、映像化に成功しているのがこの作品の凄いところです。
何しろ、アニメを見る以外に能のないアニメオタクは、アニメに関してのみ専門家レベルに精通しているので、取って付けたようなオタクキャラがテレビに登場しようものなら、親の仇を討つかのように罵詈雑言を浴びせて来ます。
そんな周りは敵ばかりと言っても過言ではないシビアなジャンルの中で、『アニメガタリズ』に登場するキャラクター達は輝くものを持っているように感じます。
「今期は何をご覧になってて?私的には『ヒロスク』と『ルゼロ』押し。『シカバリ』もオリジナル作品としては期待大ね。『タイムトラベル少年』、OPヤバくない?旬兄のスタイリッシュ柵越え!あら、阿佐ヶ谷さんと私、被ってないのかしら。とすれば日常系?思うに今期はちょっと偏っているのよね。バトルもの過多?日常系なんて『たむけだ』と『とらみこ』くらいじゃない?『ばくそう』?違う違う。あれは日常系の皮を被ったバイクもの。あっ、でも私ヤンキー方面なら少しは齧ってるわ。ちょっと古いけど『今日から拙者は』とか『エンジェル物語』とか、どっちもOVAか。でも最近リメイクブーム来てるし、バッドラックとダンスっちまった奴とかアニメ化されないのかしらね。こっち方面は違うの?あぁ、乙女系?もしくは硬派なロボットもの?」
金髪の長台詞を引用してみました。
『ヒロアカ』『リゼロ』『カバネリ』押しという部分に垣間見える俄オタク要素を補って余りあるほどのパワーを持つ『タイムトラベル少女』の存在感。
また前述の三つのアニメに並んで『タイムトラベル少女』の名前が列挙されているのに粋さを感じませんか?
勿論、制作会社が同じなのでネタにしやすかった部分はあるかと思いますが、それでも『マリワカ』は出さないですよ。
戦時中の日本を彷彿とさせる力強い文体を乱発する公式アカウントが世のアニメオタク達に強烈な印象を与えたあの『マリワカ』については何れかの機会にまた改めて語りたく思います。
『アニメガタリズ』より『マリワカ』の方に話が逸れてしまいましたが、何が言いたいかというと、今期アニメを得意顔で語っているアニメオタクがアニメ界に爆誕したんです。
アニメオタクの登場する作品は数多くあれど、版権や作者の趣味の範囲、手間の問題で、基本的に架空の作品が一世を風靡していたり、よほど人気なタイトルがネタにされたりするくらいで、実態にそぐわないケースが多かったように思います。
そんな中、颯爽と現れた『アニメガタリズ』はタイトルこそ捩ってはいますが、現行で放送しているアニメが沢山あって、アニメオタクがそれを見ているという単純にして明快な世の理を示してくれているのです。
過去アニメの幻影にしがみついて延々と語る老害ムーブも捨てがたいですが、今期アニメを全て見て「今期やっぱ面白いの多いわ」って言うまでがアニメオタクの生き様だと思うんですよね。
他にも沢山のアニメのタイトルが登場します!
・「劇場版はどれが好き?私『チジパラ水滸伝』押し!」
旧版なら金髪も挙げてる『パラレル西遊記』と『宇宙小戦争』、『夢幻三銃士』、『銀河超特急』が好きです。
・「『時にかけた少女』と『レプリカ』、映画だから1本2時間あれば大丈夫!」
・「ところで昨日の『サウザンド』見た?」
『ハンドレッド』をリアタイ視聴したからといってその先にどんな会話が待っていたのか気になります。
・「『画家スト』ならダリ、ピカソ、広重、『OLD GAME』だとるん押しな訳ね。」
これらの人物が『文スト』で言うと誰にあたるんでしょうね。『NEW GAME』の方は本当に存在していても可笑しくない。
徹夜でアニメを見るのも何のその!
若さを犠牲にして金髪から借りたアニメ映画を夜を徹して見まくる主人公。
アニメを視界に入れることの苦痛よりも、ディスクの入れ替えの手間に対する苦痛が先に来そうです。
次の日の教室では、聞いてもいないのに「いや~、全然寝てないんだよね、アニメ見てて!」と自虐風自慢を誰彼構わずしてきます。
こんなことをしているせいで勉学ではどんどん遅れを取ってしまい、Fラン大学にしか入れません。
リアルタイム視聴は基本!
全国最速の放送をこの目に入れるため、時には関西にビュンと飛び、時にはイベントの先行上映会に参加することで、誰よりも早くアニメを視聴してこそ一流のアニメオタクです。
そして、一足先に内容を把握した事で何故か優越感に浸り出し、我が物顔でネタバレを振りまくまで一連の流れです。
最近はネット配信が最速という形態を取ってきたアニメも出現してきたので、若干時代遅れの概念かもしれません。
原作派VSアニメ派の論争
原作を読んでいましたからこの作品の造詣深いですと作者の気持ちを代弁するかのように語りがちな原作派と、アニメだけ見て作品の全てを分かった気になって得意気に語り出すアニメ派の争いは、今も昔も無くならないものです。
原作で展開を把握してからアニメとの違いに注目しながら見る楽しみも、初めて触れるコンテンツをアニメにすることで事前情報無しのワクワク感を楽しむのも、どちらも捨てがたく譲れない気持ちも分かりますが、まぁ大抵の人からしたら心底どうでもいいことです。
しかし、アニメオタクは知能が低いので、どうでもいいことを延々と言い争ってしまいます。
合宿は聖地巡礼!休日のイベントも勿論オタク関連!
アニメオタクは基本的にインドアなのでそもそも外に出るのも嫌いですが、アニメに関連する行事には水を得た魚のように目を輝かせて参加します。
普段町で見かけると死んだ魚の目をしているアニメオタクですが、コミケやアニメジャパンでは人格が変わったようにイキリオタク度合いを発揮してきます。
同じ趣味を持つ人間が多数いるために気持ちが大きくなるのか、傷を舐め合っているのか分かりませんが、アニメオタクの群れを見かけたら関わっても碌な事にならないので一目散に逃げましょう。
名作アニメとは何か?面白いアニメとは何か?
何なんでしょうね・・・。
どちらかの息の根が止まるまで戦いを止めない
アニメオタクには人間が健やかに育つ上で大切な感情が欠如してますので、主張が通らなければ人格否定をして徹底的に相手を追い込みます。
根本的に他の人と相容れる心の広さも持ち合わせていないため、行く先々で問題を犯し、最終的には一人になっていきます。
金髪と眼鏡も主義の違いから口論を始め、金髪が眼鏡を部から追い出そうとするこの一幕ですが、妙に生々しく感じるのは僕だけでしょうか。
アニメオタク三箇条!
最後に物語の鍵を握りそうな猫が良い事を言っているので台詞を引用して終わりたいと思います。
「だったらあれでいい。知ったかぶりはするな。相手の話は聞け。そして自分の好きな話に強引に持ってはいくな。」
ただ、どれだけ殊勝なことを言い聞かせても、オタクは学習せずに毎日毒の実を食べて死ぬ生き物なので、無駄です。
だって、どうせ次に会って話した時も、知ったかぶりはするし、相手の話は聞かないし、自分の好きな話に強引に持っていくんでしょう?
最後に
如何でしたでしょうか?
『アニメガタリズ』におけるアニメオタクの描かれ方に対する熱い想いの丈を勢いに任せて書き散らしてしまいました。
でもアニメオタクはアニメを見て語る以外に取り柄がない残念な種族なので、どうか広い心と温かい目で以て許してやってください。
何はともあれ、アニメスタッフが飲み会の席で管を巻いている内容がそのまま脚本に反映されたかのような、えげつないアニメオタクの肖像が今後もバシバシ描かれていく予感がして期待が増すばかりです。
アニメに生かされているアニメオタクの人生を賭して語らずには居られないそんな作品ですので、まだ見ていただけていないアニメオタクは一刻も早く見てください。
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